贈与についての注意点
2016年08月12日 [相続税]
「贈与」というと、相続税対策で一番に挙げられるもので、王道と言える相続対策です。
世の中には、節税をうたった様々なものがありますが、本末転倒な結果になるものも多々あります。
しかし、この点、相続対策の王道と言える「贈与」であっても、本末転倒なのではないか、といった結果になることもあります。よって贈与についても気を付けて行わないといけません。
(1)一家としての財産が消滅
例えば、相続税を少なくしたい、という理由から、お金を子供たちにあげ続ける(贈与する)といったことが相続対策として考えられます。贈与をしても年110万円までは税金がかからないから、110万円づつお金をあげ続けるといったことをしてる方も多いのではないかと思われます。
このお金を贈与することによる相続税対策にはどれほどの効果があるのでしょうか。
仮に、子供が3人いて、一人に1年あたり110万円あげれば、1年で330万円。10年で3,300万円の相続財産を減らすことができます。
さらに早めに対策し始めれば、20年×330万円=6,600万円の贈与も贈与税を払うことなく行うことが可能でしょう。
6,600万円も相続財産を減らすことができれば、相続税もある程度下がるものと考えられます(下がる税額は、財産の状況や相続人の人数等の影響を受けます)。
しかし、毎年親から大金をもらえたら、子供たちはどうなるでしょうか。目の前に、臨時収入と言える大金が入ってきたら、どうするでしょうか。金銭感覚のしっかりした、責任感のある子ならもしかしたらしっかり貯蓄して将来のために使ってくれるかもしれませんが、降って湧いたお金は使ってしまう可能性が高いものです。
仮にもらったお金を使ってしまった場合には、贈与をしたことによって、結果として、一家からの財産の流出を招き、相続後の先祖伝来の家土地の維持のためにと思っていたのに、そのお金がなくなり、維持するのに支障をきたす、又は、維持できなくなって先祖伝来の家土地を売り払わないといけなくなるかもしれません。
こうなってしまっては、一家としての財産を守りたかったための相続対策としては、本末転倒な結果と言えるでしょう。
(2)金銭感覚のマヒ
上記例示の通り、お金を親からもらって、そのお金を使った、というなら親の財産を使い尽くすという点で済むかもしれませんが、もしかすると、無駄にお金を使う癖がついて、金銭感覚をマヒさせてしまうかもしれません。
消費水準があがってしまい、自分で働いて得たお金まで使い果たしてしまうかもしれません。
本来、お金は額に汗して稼ぐもの。お金をあげる(贈与する)のは、もう大人となっているはずの子供たちではあると思いますが、教育上どうなのだろうかと、個人的には思ってしまいます。
(3)老後資金の枯渇
上記例示の通り、お金を子供にあげれば、自分たちの財産が毎年目減りしていくことになります。
相続税を恐れて、贈与を行った結果、老後資金も減って、余裕のある老後を過ごせなくなる。それどころか子供たちから金銭的な援助をしてもらわないと生きていけなくなってしまうかもしれません。
仮にこのような状況に至るようなことがあるのであれば、その相続税対策としての贈与はよかったのでしょうか。
以上のように、今回はお金をあげることを例として、贈与については数々の問題が潜んでいることを説明させて頂きました。
名古屋・半田の吉岡相続オフィス 吉岡生馬
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名古屋・半田の吉岡相続オフィスは、本当にお客様視点での仕事を柱に業務を行っている事務所です。
主な業務範囲:名古屋・知多・西三河(名古屋市・東海市・大府市・知多市・東浦町・阿久比町・半田市・常滑市・武豊町・美浜町・南知多町・刈谷市・高浜市・碧南市・西尾市・岡崎市・安城市・知立市・豊田市)
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世の中には、節税をうたった様々なものがありますが、本末転倒な結果になるものも多々あります。
しかし、この点、相続対策の王道と言える「贈与」であっても、本末転倒なのではないか、といった結果になることもあります。よって贈与についても気を付けて行わないといけません。
(1)一家としての財産が消滅
例えば、相続税を少なくしたい、という理由から、お金を子供たちにあげ続ける(贈与する)といったことが相続対策として考えられます。贈与をしても年110万円までは税金がかからないから、110万円づつお金をあげ続けるといったことをしてる方も多いのではないかと思われます。
このお金を贈与することによる相続税対策にはどれほどの効果があるのでしょうか。
仮に、子供が3人いて、一人に1年あたり110万円あげれば、1年で330万円。10年で3,300万円の相続財産を減らすことができます。
さらに早めに対策し始めれば、20年×330万円=6,600万円の贈与も贈与税を払うことなく行うことが可能でしょう。
6,600万円も相続財産を減らすことができれば、相続税もある程度下がるものと考えられます(下がる税額は、財産の状況や相続人の人数等の影響を受けます)。
しかし、毎年親から大金をもらえたら、子供たちはどうなるでしょうか。目の前に、臨時収入と言える大金が入ってきたら、どうするでしょうか。金銭感覚のしっかりした、責任感のある子ならもしかしたらしっかり貯蓄して将来のために使ってくれるかもしれませんが、降って湧いたお金は使ってしまう可能性が高いものです。
仮にもらったお金を使ってしまった場合には、贈与をしたことによって、結果として、一家からの財産の流出を招き、相続後の先祖伝来の家土地の維持のためにと思っていたのに、そのお金がなくなり、維持するのに支障をきたす、又は、維持できなくなって先祖伝来の家土地を売り払わないといけなくなるかもしれません。
こうなってしまっては、一家としての財産を守りたかったための相続対策としては、本末転倒な結果と言えるでしょう。
(2)金銭感覚のマヒ
上記例示の通り、お金を親からもらって、そのお金を使った、というなら親の財産を使い尽くすという点で済むかもしれませんが、もしかすると、無駄にお金を使う癖がついて、金銭感覚をマヒさせてしまうかもしれません。
消費水準があがってしまい、自分で働いて得たお金まで使い果たしてしまうかもしれません。
本来、お金は額に汗して稼ぐもの。お金をあげる(贈与する)のは、もう大人となっているはずの子供たちではあると思いますが、教育上どうなのだろうかと、個人的には思ってしまいます。
(3)老後資金の枯渇
上記例示の通り、お金を子供にあげれば、自分たちの財産が毎年目減りしていくことになります。
相続税を恐れて、贈与を行った結果、老後資金も減って、余裕のある老後を過ごせなくなる。それどころか子供たちから金銭的な援助をしてもらわないと生きていけなくなってしまうかもしれません。
仮にこのような状況に至るようなことがあるのであれば、その相続税対策としての贈与はよかったのでしょうか。
以上のように、今回はお金をあげることを例として、贈与については数々の問題が潜んでいることを説明させて頂きました。
名古屋・半田の吉岡相続オフィス 吉岡生馬
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